公営ギャンブルの還元率比較|競馬・競輪・競艇・宝くじで最も有利なのは?

パチンコ台を打つギャンブル脳

公営ギャンブルの還元率は70〜80%で、宝くじの46%と比べれば高いものの、賭けた時点で期待値がマイナスになる構造は変わりません。競馬・競輪・競艇・オートレースはいずれも法律で控除率が定められており、胴元(国・自治体)が必ず利益を得る仕組みです。

この記事では各ギャンブルの公式還元率を詳細に整理し、投資との本質的な違いを明らかにしていきます。

競馬は券種で還元率が大きく変わる唯一の公営競技

競馬は日本の公営ギャンブルの中で唯一、券種によって還元率が異なります。JRA(日本中央競馬会)は2014年の競馬法改正以降、券種ごとに70〜80%の範囲で還元率を設定しています。

JRA(中央競馬)の券種別還元率

券種 還元率 控除率
単勝・複勝 80.0% 20.0%
枠連・馬連・ワイド 77.5% 22.5%
馬単・3連複 75.0% 25.0%
3連単 72.5% 27.5%
WIN5 70.0% 30.0%

単勝・複勝の80%が最も有利で、高配当が期待できる3連単やWIN5ほど控除率が高くなる構造です。JRAには「JRAプラス10」(元返し時に10円上乗せ)や「JRAプレミアム」(特定レースで5%上乗せ)といった還元率向上施策も存在します。

地方競馬はJRAより還元率が低い傾向

地方競馬は主催者(地方自治体)によって還元率が異なりますが、概ねJRAより2.5〜5%低い設定が多くなっています。

券種 JRA 地方競馬(標準)
単勝・複勝 80.0% 80.0%(同等)
馬連 77.5% 75.0%(兵庫のみ77.5%)
ワイド 77.5% 75.0%(ホッカイドウのみ80%)
3連複 75.0% 72.5%
3連単 72.5% 72.5〜75.0%

特筆すべきはホッカイドウ競馬のワイド80%(日本最高)と、高知競馬の最終レース3連単77%という高還元設定です。

競輪・競艇・オートレースは券種による差がない

競馬以外の3公営競技は、すべての券種で還元率が統一されている点が大きな特徴です。

3公営競技の還元率比較

競技 還元率 控除率 根拠法令 管轄官庁
競輪 75% 25% 自転車競技法第12条 経済産業省
競艇(ボートレース) 75% 25% モーターボート競走法第15条 国土交通省
オートレース 70% 30% 小型自動車競走法第16条 経済産業省

オートレースは2012年の法改正で売上不振を受け、還元率が75%から70%に引き下げられました。公営競技の中で最も不利な条件となっています。ただし、SG・G1等のグレードレースでは第7レースの2連単のみ80%に設定される特例があります。

各競技の券種と的中確率

競輪(9車立て)は単勝・複勝がなく、2車複(1/36)から3連単(1/504)まで7券種があります。競艇(6艇立て)は単勝(1/6)から3連単(1/120)まで7券種で、公営競技で唯一6頭立ての少数決着が特徴です。いずれも全券種一律75%還元となっています。

パチンコは高還元率だが「不透明さ」も多い

パチンコ・パチスロは公営ギャンブルではありませんが、業界データによると還元率は約80〜85%と推定され、公営競技より高い数値を示します。

ダイコク電機「DK-SIS白書」の実測データでは控除率約15%(還元率85%)、大阪商業大学・谷岡一郎氏の分析でも85〜90%とされています。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 公式な還元率公表義務がなく、数値はあくまで推定
  • 店舗・機種・設定により大きく変動(日によって0〜150%の幅)
  • 2018年の出玉規制強化で、4時間遊技の出玉上限が5万円分以下に制限
  • パチスロは設定1(約97%)〜設定6(約110%以上)で機械割が変動

還元率が高いように見えても、長時間遊技と設定の不透明さで実質的な期待値は公営競技と大差ない場合も多いのが実情です。

宝くじは法律で還元率50%以下に制限されている

宝くじは当せん金付証票法第5条により、還元率が法律で50%以下に制限されています。令和6年度の公式還元率は46.5%です。

宝くじ売上金の内訳

項目 割合
当せん金(還元) 46.5%
収益金(自治体へ) 36.2%
経費 16.0%
社会貢献広報費 1.3%

年末ジャンボの期待値は1枚300円に対し約150円(還元率約50%)で、法定上限ギリギリに設定されています。スクラッチは200円で期待値95円(47.5%)とやや低めです。

toto(スポーツ振興くじ)もスポーツ振興投票法に基づき還元率約50%で、BIGやMEGA BIGも同様の設定となっています。

宝くじ・totoの隠れたメリット

宝くじとtotoの当せん金は非課税(当せん金付証票法第13条)である点が大きな特徴です。公営競技の払戻金は一時所得として課税されるため、税引後の実効還元率で比較すると差は縮まります。

種類 名目還元率 税引後実効還元率
宝くじ 45.7% 45.7%(非課税)
公営競技 74.8% 約58.5%(課税後)
toto 49.6% 49.6%(非課税)

1億円当選時、公営競技では所得税・住民税で約2,183万円が課税される計算になります。

全ギャンブル還元率ランキング

税引前の名目還元率を高い順に整理すると以下の通りとなります。

順位 ギャンブル 還元率
1位 パチンコ・パチスロ 80〜85%(推定値)
2位 競馬(JRA単勝・複勝) 80%
3位 競輪・競艇 75%
4位 競馬(JRA 3連単) 72.5%
5位 オートレース 70%
6位 toto・BIG 約50%
7位 宝くじ 46.5%

重要な事実として、いずれも還元率100%未満であり、統計的に「続ければ必ず負ける」構造だということを覚えておいてください。

控除金は社会インフラ整備に使われている

公営ギャンブルの控除金(テラ銭)は、法律に基づき公益目的に配分されます。これが「公営」である所以です。

JRA(中央競馬)の控除金使途

2024年度の国庫納付金は約3,665億円に達します。この使途は以下の通りです。

  • 75%は畜産振興事業(大学研究支援、国産チーズブランド化等)
  • 25%は社会福祉事業

競艇の控除金使途——日本財団の巨大な社会貢献

競艇の売上から約3.1%が日本財団に交付され、2025年度の補助金予定額は827億円に上ります。ハンセン病撲滅活動に10年間で230億円、東日本大震災や能登半島地震の復興支援など、国際的な公益活動の主要財源となっています。

競輪・オートレースの控除金使途——JKAによる機械振興

公益財団法人JKAを通じて機械工業振興と公益事業振興に配分されます。福祉車両・検診車の整備、社会福祉施設への助成、大学等研究機関への補助金、SDGs推進事業などが主な使途です。

宝くじの収益配分——地方財政の生命線

宝くじ収益金(売上の36.2%、約2,750億円)は全額が都道府県・政令指定都市に配分され、学校施設整備、防災対策、公園整備、社会福祉施設の建設に充てられています。

まとめ:ギャンブルは「娯楽費」、投資は「資産形成」

公営ギャンブルの還元率70〜80%は、「賭けた瞬間に20〜30%が消える」ことを意味します。1万円賭ければ、平均で2,000〜3,000円は戻ってこないのが数学的な真実です。

宝くじはさらに厳しく、1万円購入で期待リターンは4,650円。「夢を買う」という言葉の裏側には、53.5%の控除率という現実があります。

対照的に、株式投資やFXは手数料・スプレッドを除けば期待値はゼロサムまたはプラス(経済成長を前提とした株式市場の長期期待リターンは年率5〜7%程度)です。ギャンブルとの本質的な違いは「胴元が必ず勝つ構造」の有無にあります。

公営ギャンブルを楽しむなら、控除金が社会貢献に使われている「寄付付き娯楽」と割り切るのが健全でしょう。資産形成を目指すなら、期待値がプラスの手段を選択すべきです。

もしギャンブルで培った「期待値を追う思考」があるなら、それは投資の世界でも大きな武器になります。FXとは?トレード初心者にもわかる仕組みと利益が出る理由で、ギャンブルとは異なる「期待値プラスの世界」を覗いてみてください。

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