Obsidianでトレード日誌をつくる|過去のチャートパターンと瞬時にリンクする最強の記録術【FX ツール・環境】
「トレード記録は大事だって分かってるけど、Excelは面倒だし、ノートアプリは続かない」「同じ失敗を繰り返してしまう自分をなんとかしたい」そんな悩みを抱えるトレーダーのみなさん、こんにちは。
実は、Obsidian(オブシディアン)という無料のノートアプリを使うと、トレード記録が「検索可能な知識データベース」に自動的に進化します。日記を書く感覚で淡々と記録していくだけで、半年後には「自分の勝ちパターン・負けパターン」が詰まった最強の参考書ができあがるのです。
この記事では、Obsidianを使ったトレード日誌のつけ方と、「過去の似た値動き」を一瞬で呼び出すリンク機能の活用術をプロ視点で解説します。
なぜObsidianがトレード記録に最適なのか
Obsidianは「メモとメモをリンクで繋ぐ」ことに特化した無料のノートアプリです。一見するとただのテキストエディタですが、実はトレード記録をつける上で革命的な機能を持っています。
普通のノートアプリやExcelの場合、記録は「日付順」に並ぶだけです。しかしObsidianでは、「日付」だけでなく「銘柄」「手法」「チャートパターン」「メンタル状態」といった複数の軸で過去の記録を串刺しにできるのです。
これはつまり、「今見ているチャートの形」から「過去に同じような形で失敗した経験」を一瞬で呼び出せるということです。人間の記憶は曖昧ですが、Obsidianは完璧に覚えています。
Obsidianの3つの強み
- リンク機能: 用語や銘柄名を二重括弧で囲むだけで、自動的にリンクボタンになります。
- 軽量さ: チャート画像を何百枚貼っても動作が重くなりません。
- 完全無料: クラウド同期は有料ですが、ローカル保存なら永久に無料で使えます。
一般的には「日記を書くアプリ」として使われることが多いObsidianですが、実は「過去のデータを参照して、未来の判断に活かす」という作業にこそ、その真価が発揮されます。トレード記録はまさにこれに該当します。
[PR] TradingView チャート 無料プランあり!リンク機能の威力|過去のチャートと瞬時につながる
Obsidianの最大の特徴は「リンク機能」です。これがトレード記録において、どれほど強力なのかを具体例で説明します。
今日のトレード日誌の記述例
例えば、今日のトレード記録をこのように書いたとします。
2025年12月11日
[[USDJPY]] が150円の節目で反発した。
形は [[逆三尊]] に見える。
でも、[[雇用統計]] の発表前だから様子見する。
ここで [[USDJPY]]、[[逆三尊]]、[[雇用統計]] という部分が自動的にリンクボタンになります。
「逆三尊」をクリックすると何が起こるか
ここで [[逆三尊]] というリンクをクリックすると、過去に自分が「逆三尊」について言及した過去の日記がズラッと一覧表示されます。
- 「2024年5月2日:逆三尊だと思って入ったらダマシにあって損切り」
- 「2023年11月10日:綺麗な逆三尊で爆益。ネックライン抜けを待ったのが正解」
- 「2024年8月15日:逆三尊に見えたが出来高が伴っていなかった」
これにより、「今のチャート(今日)」と「過去のチャート(経験)」が一瞬で繋がります。「あ、今の形は、あの失敗した時の形に似てるからやめておこう」という判断ができるのです。
これがObsidianの言う「リンク」の本質です。単なるメモではなく、過去の経験を今の判断に活かすための仕組みなのです。
「銘柄ごとの癖」も見える化される
同様に、[[USDJPY]]
をクリックすれば、ドル円に関する過去の自分の考察だけが時系列で並びます。すると「自分はドル円のショート(売り)でばかり負けているな」といった銘柄ごとの傾向が浮き彫りになります。
ExcelやGoogleスプレッドシートでも銘柄でフィルタリングはできますが、Obsidianの場合は「チャートの形(逆三尊)」と「銘柄(USDJPY)」と「経済指標(雇用統計)」を同時に横断検索できる点が圧倒的に優れています。
実践的な使い方|銘柄・手法・メンタルで串刺し
では、実際にObsidianでトレード記録をつける際の具体的な書き方を見ていきましょう。
記録すべき項目
トレード日誌に最低限記録すべき項目は以下の通りです。
- 日付: 2025年12月11日
- 銘柄: [[USDJPY]]、[[EURUSD]] など(二重括弧で囲む)
- エントリー理由: [[移動平均線のゴールデンクロス]]、[[水平線反発]] など
- 手法: [[スキャルピング]]、[[デイトレード]]、[[スイングトレード]]
- 結果: +50pips、-20pips など
- メンタル: [[ポジポジ病]]、[[チキン利食い]]、[[リベンジトレード]] など
- チャート画像: エントリー時と決済時のスクリーンショット
記述例(実際のノート)
2025年12月11日 14:30 USDJPY ロング
エントリー: 150.20
決済: 150.80
損益: +60pips
[[移動平均線]] の [[ゴールデンクロス]] を確認してエントリー。
[[水平線]] の150円を明確に上抜けたので自信を持って入った。
良かった点:
・損切りラインを事前に設定していた(149.90)
・[[リスクリワードレシオ]]が1:2だった
反省点:
・利確が早すぎた([[チキン利食い]])。151円まで伸びていた。
画像:
![[20251211_USDJPY_entry.png]]
![[20251211_USDJPY_exit.png]]
このように書いておくだけで、あとから「移動平均線」「ゴールデンクロス」「チキン利食い」などのキーワードで過去のトレードを検索できます。
メンタル面の記録が特に重要
多くのトレーダーが見落としがちなのが「メンタル状態」の記録です。Obsidianでは「なぜ負けたのか」の心理的な要因を、リンクでタグ付けできるのが大きな強みです。
例えば、[[ポジポジ病]]
というリンクをクリックすれば、「焦って無駄なエントリーをしてしまった日」がすべて表示されます。すると「あ、自分は雇用統計の前日に必ずポジポジ病になる傾向がある」といったパターンが見えてきます。
合わせて読みたい: トレード記録の基本については、トレード日誌の書き方|Excel・手書きテンプレートも参考にしてください。
チャート画像の管理術|自分だけのパターン図鑑
Obsidianは画像を貼るのがとても軽いです。何百枚のチャート画像を貼っても、動作が重くなることはありません。
チャート画像の貼り方
Obsidianに画像を貼る方法は簡単です。
- チャートのスクリーンショットを撮る
- Obsidianのノートにドラッグ&ドロップする
- 自動的に
![[画像名.png]]という形式で埋め込まれる
画像のファイル名を「日付_銘柄_エントリー/決済」という形式にしておくと、あとから探しやすくなります。
「自分だけのチャートパターン図鑑」が勝手にできる
エントリーした瞬間のチャートと、決済した後のチャートのスクリーンショットを貼り付け、そこにリンクを貼ることで、「自分だけのチャートパターン図鑑」が勝手に出来上がっていきます。
例えば、「逆三尊」というリンクをクリックすれば、過去に自分が「逆三尊だ」と判断したチャート画像がすべて表示されます。すると「自分が逆三尊だと思っているパターンは、実は成功率が30%しかない」といった客観的な事実が見えてきます。
これは、テキストだけの記録では絶対に得られない気づきです。
[PR] XMTrading で口座開設 入金ボーナスあり!ExcelとObsidianの使い分け
「じゃあ、Excelは使わなくていいの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。ExcelとObsidianは役割が違うので、両方を併用するのが最適です。
Excelで管理すべきもの(定量データ)
- 勝率、損益額、ドローダウン
- リスクリワードレシオ
- 月別・銘柄別の損益推移
- 最大連敗記録
Excelは「数字」の管理に使います。グラフを作って視覚化したり、関数を使って統計を取ったりする作業はExcelの方が得意です。
Obsidianで管理すべきもの(定性データ)
- 「なぜ入ったか」という判断理由
- 「どんな感情だったか」というメンタル状態
- 「チャートの形」という視覚的な記録
- 「似た過去の失敗」との関連付け
Obsidianは「質」の管理に使います。感情や判断プロセスといった、数値化できない部分を記録するのに向いています。
結論:両刀使いが最強
Excelで「いくら儲かったか」を記録し、Obsidianで「なぜ儲かったか/なぜ負けたか」を記録する。この定量データと定性データの両輪があって初めて、トレードは改善されます。
まとめ|勝つための道具として使い続ける
Obsidianをトレード記録に使うメリットをまとめます。
- 過去の「似たチャート」を一瞬で呼び出せるリンク機能
- 銘柄・手法・メンタルなど、複数の軸で記録を串刺しにできる
- チャート画像を何百枚貼っても軽い
- 完全無料で使える(ローカル保存の場合)
- 「自分だけのチャートパターン図鑑」が自然とできあがる
こんな人に向いている
もしあなたが、トレードにおいて「同じ失敗を繰り返してしまう」「なんとなくエントリーしてしまう」という悩みをお持ちなら、Obsidianはそれを矯正する最高のコーチになります。
感情的な日記を書く必要はありません。淡々と事実とリンク(タグ付けのようなもの)を記録していくだけで、半年後には「自分の勝ちパターン・負けパターン」が詰まったデータベースになります。
まずは「チャート画像のスクショ置き場」として試してみる
いきなり完璧な記録をつけようとする必要はありません。まずは「チャート画像のスクショ置き場」として使い始めてみてください。
エントリーした瞬間と決済した瞬間のチャートを貼り付け、一言だけメモを残す。それだけでも十分です。そこから徐々に「なぜこの判断をしたのか」「どんな感情だったか」を書き足していけば、自然と「勝つための道具」として使い続けられるようになります。
免責事項
本記事の情報は教育目的で提供されており、投資助言ではありません。FX取引にはリスクが伴い、元本を失う可能性があります。投資判断は自己責任で行ってください。また、本記事で紹介するツールやサービスの利用は各自の判断で行ってください。