トレード日誌の書き方|Excel・手書きテンプレート【FX ツール・環境】

「FXで勝てない原因がわからない」「同じ失敗を繰り返してしまう」そんな悩みを抱えていませんか?実は、トレード日誌をつけていないトレーダーの多くが、この罠にはまっています。私自身、日誌をつけ始めてから劇的にトレード成績が改善しました。この記事では、FXで安定して勝つために不可欠なトレード日誌の書き方を、Excel版と手書き版の両方で詳しく解説します。あなたも今日から記録をつけて、自分のトレードを客観的に分析できるようになりましょう。

トレード日誌をつける3つの理由

トレード日誌は単なる記録ではありません。あなたのトレードスキルを向上させるための最強のツールです。なぜプロトレーダーの多くが日誌をつけているのか、その理由を解説します。

感情に左右されない客観的な分析ができる

トレード中は、恐怖や欲望といった感情が判断を曇らせます。しかし、トレード日誌に記録しておけば、冷静になった後で自分のトレードを客観的に見返すことができます。「なぜあの時、損切りできなかったのか」「なぜ利確を早めてしまったのか」といった行動パターンが明確になります。

実際、私も最初は「記録なんて面倒だ」と思っていました。しかし、3ヶ月分の日誌を見返したとき、自分が毎回同じポイントで失敗していることに気づきました。それは「損切りラインを曖昧にしたままエントリーしている」という致命的なミスでした。この気づきがなければ、今も同じ失敗を繰り返していたと思います。

勝ちパターンと負けパターンが見えてくる

トレード日誌を継続すると、あなた独自の「勝ちやすい相場環境」と「負けやすい相場環境」が統計的に明らかになります。例えば、「レンジ相場のブレイクアウトは勝率が低い」「トレンド相場の押し目買いは勝率が高い」といったデータが蓄積されます。

これは、単なる感覚ではなく、数字に基づいた事実です。勝率の高い手法に資金を集中させ、勝率の低い場面ではトレードを控えることで、トータルの収益が改善します。これこそが、トレード日誌を「統計データベース」として活用する本質です。

メンタルの安定につながる

連敗が続くと、多くのトレーダーは「自分には才能がないのでは」と自信を失います。しかし、トレード日誌があれば、過去の成功トレードを見返すことで「自分にもできる」という自信を取り戻せます。

また、感情的になりそうなときに日誌を見返すことで、「今は冷静さを失っている」と自覚し、ブレーキをかけることもできます。つまり、トレード日誌はメンタルコントロールの補助装置としても機能するのです。

記録すべき必須項目

トレード日誌に記録すべき項目は、大きく分けて「基本情報」「トレード内容」「心理状態」の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

基本情報(必ず記録)

  • 日付と時刻: エントリー時刻と決済時刻を記録します。これにより、どの時間帯のトレードが得意かが分かります。
  • 通貨ペア: ドル円、ユーロドルなど、取引した通貨ペアを記録します。
  • 売買方向: ロング(買い)かショート(売り)かを明記します。
  • ロット数: 取引量を記録し、リスク管理が適切だったかを後で検証します。
  • エントリー価格: ポジションを持った価格です。
  • 決済価格: 利確または損切りした価格です。
  • 損益(pips/円): トレード結果を数値で記録します。感情ではなく、数字で評価するためです。

トレード内容(分析に必須)

  • エントリー根拠: なぜそのタイミングでエントリーしたのか。使ったインジケーターやチャートパターンを記録します。
  • 損切りライン: 事前に設定した損切りポイントです。これを記録しないと、「なぜ損切りできなかったか」の検証ができません。
  • 利確ターゲット: 目標とした利益幅です。実際の利確位置と比較することで、チキン利食いや欲張りすぎを発見できます。
  • 相場環境: トレンド相場かレンジ相場か、重要な経済指標の発表前後かなどを記録します。
  • 使用した時間足: 5分足、1時間足、日足など、判断に使ったチャートの時間足です。

心理状態(成長に重要)

  • エントリー時の感情: 冷静だったか、焦っていたか、自信があったかなどを記録します。
  • 決済時の感情: 予定通りに決済できたか、それとも感情的に早めてしまったかを振り返ります。
  • 反省点: 「もっとこうすべきだった」という気づきを書き留めます。これが次のトレードへの教訓になります。
  • 良かった点: 成功したポイントも記録します。自信を失わないために重要です。

これらの項目を毎回記録することで、あなたのトレードは「ギャンブル」から「統計に基づいた戦略」へと変わります。

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Excel版トレード日誌テンプレートの作り方

Excelを使えば、自動計算機能を活用して効率的にトレード日誌を管理できます。ここでは、実践的なテンプレートの作り方を具体的に解説します。

基本的なシート構成

まず、Excelで新しいブックを作成し、以下の3つのシートを用意します。

  • トレード記録シート: 日々のトレードを1行ずつ記録するメインシートです。
  • 月次サマリーシート: 月ごとの統計データを自動集計するシートです。
  • 分析シート: 通貨ペア別や時間帯別の勝率を可視化するシートです。

トレード記録シートの列構成

以下のような列を作成します。

列名 入力内容 備考
A列: No. 連番 自動採番でOK
B列: 日付 yyyy/mm/dd形式 日付型で入力
C列: エントリー時刻 hh:mm形式 時刻型で入力
D列: 決済時刻 hh:mm形式 時刻型で入力
E列: 通貨ペア USDJPY等 プルダウンで選択
F列: 売買方向 買/売 プルダウンで選択
G列: ロット数 数値 0.1、1.0など
H列: エントリー価格 数値 小数点以下3桁まで
I列: 決済価格 数値 小数点以下3桁まで
J列: 損益(pips) 自動計算 =ABS(I列-H列)*100または1000
K列: 損益(円) 自動計算 =J列×G列×1000(ドル円の場合)
L列: 勝敗 自動判定 =IF(K列>0,"勝","負")
M列: エントリー根拠 自由記述 「MA反発」など
N列: 反省点 自由記述 改善すべき点

自動計算式の設定方法

損益の自動計算は、通貨ペアによって計算方法が異なります。ドル円の場合、1pipsは0.01円なので、以下の式を使います。

J列(損益pips)の計算式:

=IF(F列="買",(I列-H列)*100,(H列-I列)*100)

この式により、買いポジションと売りポジションで自動的に正しい損益pipsが計算されます。なぜこの式が必要かというと、買いの場合は「決済価格-エントリー価格」ですが、売りの場合は「エントリー価格-決済価格」となるため、条件分岐が必要だからです。

K列(損益円)の計算式:

=J列×G列×1000

この式で、pips損益が実際の円換算損益に変換されます。ドル円の場合、1ロット(10,000通貨)で1pips動くと1,000円の損益になるため、この乗数を使います。

月次サマリーシートの作り方

月次サマリーシートでは、以下の指標を自動集計します。

  • 総トレード回数: =COUNTA(トレード記録シート!B:B)-1
  • 勝ちトレード数: =COUNTIF(トレード記録シート!L:L,"勝")
  • 負けトレード数: =COUNTIF(トレード記録シート!L:L,"負")
  • 勝率: =勝ちトレード数÷総トレード回数×100
  • 総損益: =SUM(トレード記録シート!K:K)
  • 平均利益: =AVERAGEIF(トレード記録シート!L:L,"勝",トレード記録シート!K:K)
  • 平均損失: =AVERAGEIF(トレード記録シート!L:L,"負",トレード記録シート!K:K)
  • リスクリワードレシオ: =平均利益÷ABS(平均損失)

これらの数値を毎月見ることで、自分のトレードスタイルが改善しているかを客観的に評価できます。

プルダウンリストの設定方法

通貨ペアや売買方向の入力ミスを防ぐため、プルダウンリストを設定しましょう。手順は以下の通りです。

  1. E列(通貨ペア)を選択します。
  2. 「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
  3. 「入力値の種類」で「リスト」を選択します。
  4. 「元の値」に「USDJPY,EURJPY,GBPJPY,EURUSD,GBPUSD」と入力します。
  5. OKをクリックします。

同様に、F列(売買方向)には「買,売」というリストを設定します。これにより、入力作業が効率化され、データの一貫性が保たれます。

手書きトレード日誌のメリットとポイント

Excelは便利ですが、手書きのトレード日誌にも独自の価値があります。私自身、Excel版と併用していますが、手書きには「記憶に残りやすい」という大きなメリットがあります。

手書きの科学的メリット

脳科学の研究によると、手書きで文字を書く行為は、キーボード入力よりも脳の活性化に効果的だとされています。なぜなら、手書きは「運動記憶」と「視覚記憶」が同時に働くため、情報が長期記憶として定着しやすいからです。

特に、トレードの反省点や感情の動きを手書きで記録すると、次回同じ状況に直面したときに「あ、前にもこれで失敗した」という直感が働きやすくなります。これは、データだけでは得られない「体験としての記憶」です。

手書き日誌に適したノートの選び方

手書きのトレード日誌には、以下のようなノートがおすすめです。

  • A4サイズのリングノート: チャート画像を印刷して貼り付けるスペースが必要なため、大きめのサイズが便利です。
  • 方眼タイプ: 表を手書きしやすく、レイアウトの自由度が高いです。
  • ページ番号付き: 後で見返すときに、特定のトレードを探しやすくなります。

手書き日誌の記録フォーマット例

以下のようなフォーマットで記録すると、見やすく振り返りやすい日誌になります。

日付: 2025年12月12日(金)
通貨ペア: ドル円
エントリー: 150.50 買い 1.0ロット
決済: 150.80 +30pips +30,000円
根拠: 1時間足で移動平均線(20MA)を上抜けし、4時間足もトレンド転換の兆し。
反省点: 利確を早めてしまった。当初の目標は50pipsだったが、含み益が減るのが怖くて30pipsで利確。次回は目標まで我慢する。
感情: エントリー時は冷静。しかし、含み益が減り始めたときに焦りが出た。

このように、文章で自由に書くことで、数値だけでは見えない「心の動き」を記録できます。

チャート画像の活用方法

手書き日誌の強みは、チャート画像を印刷して貼り付けられる点です。エントリーポイントや損切りラインを手書きで書き込むことで、視覚的に記憶に残ります。

具体的には、MT4やTradingViewでチャートのスクリーンショットを撮り、印刷してノートに貼ります。そこに赤ペンでエントリー根拠を、青ペンで反省点を書き込むと、見返したときに一目で理解できます。

トレード日誌の振り返り方法

トレード日誌は「書いて終わり」ではありません。定期的に振り返ることで、初めて価値を発揮します。ここでは、効果的な振り返り方法を解説します。

毎週末の週次レビュー

週に1回、金曜日の夜か土曜日の朝に、その週のトレードを振り返ります。以下の項目をチェックしましょう。

  • 勝率: 今週の勝率は何%だったか。目標勝率を上回っているか。
  • 最大損失トレード: 今週最も損失が大きかったトレードは何か。なぜそうなったか。
  • 共通する失敗パターン: 同じミスを繰り返していないか。例えば、「損切りが遅れる」「衝動的にエントリーする」など。
  • 成功したトレード: 今週うまくいったトレードの共通点は何か。その手法を再現できるか。

この週次レビューで見つけた改善点を、次週のトレードに活かします。これを繰り返すことで、トレードスキルが螺旋階段のように向上していきます。

月次レビューで長期的な成長を確認

月に1回、月末にその月のトレードを総括します。ここでは、より大きな視点で自分の成長を確認します。

  • 月間損益: 今月はプラスで終われたか。目標金額を達成できたか。
  • トレード回数: 適切な頻度でトレードできたか。ポジポジ病になっていないか。
  • リスクリワードレシオ: 平均利益と平均損失の比率は改善しているか。
  • 得意な相場環境: トレンド相場とレンジ相場、どちらで勝ちやすいか。
  • 時間帯別の勝率: 東京時間、欧州時間、NY時間のうち、どの時間帯で勝ちやすいか。

これらのデータをグラフ化すると、視覚的に成長が実感できます。例えば、勝率が3ヶ月前の40%から今月は55%に向上していれば、確実にスキルが上がっている証拠です。

失敗トレードの深掘り分析

月次レビューでは、特に損失が大きかったトレードを徹底的に分析します。以下の質問を自分に問いかけましょう。

  • エントリー根拠は明確だったか?
  • 損切りラインは事前に設定していたか?
  • ロット数は適切だったか?(2%ルールを守っていたか)
  • 感情的な判断をしていなかったか?
  • 相場環境は自分の手法に適していたか?

この深掘り分析により、「なんとなく負けた」が「〇〇が原因で負けた」に変わります。原因が特定できれば、対策も立てられます。

成功トレードのパターン抽出

失敗だけでなく、成功したトレードも分析します。勝ちトレードに共通する要素を見つけ出し、それを「勝ちパターン」として意識的に再現します。

例えば、「トレンドラインのブレイクアウト後、押し目を待ってエントリーしたトレードは勝率が高い」というパターンが見つかれば、その手法に特化するという戦略が立てられます。

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まとめ

トレード日誌は、FXで安定して勝つための必須ツールです。この記事の要点をまとめます。

  • トレード日誌をつける理由は、客観的な分析、パターンの発見、メンタルの安定の3つ。
  • 記録すべき項目は、基本情報、トレード内容、心理状態の3つのカテゴリー。
  • Excel版日誌は、自動計算機能を活用して効率的にデータを集計できる。
  • 手書き日誌は、記憶に残りやすく、チャート画像を直接書き込める利点がある。
  • 週次レビューと月次レビューで定期的に振り返ることで、継続的な改善が可能。

今日から、あなたもトレード日誌をつけ始めましょう。最初は面倒に感じるかもしれませんが、1ヶ月後には必ずその価値を実感できます。記録し、振り返り、改善するというサイクルを回すことで、あなたのトレードは着実に進化していきます。

免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言や勧誘を目的としたものではありません。FX取引には高いリスクが伴います。投資判断は自己責任で行い、損失を許容できる範囲内で取引してください。過去の成績は将来の結果を保証するものではありません。